健診では、高齢者の方には高血圧が、若い方には脂質異常症が多いです。
脂質異常症は自覚症状もなく放置されることも多く、脂質異常は数年後・十数年後・数十年後に脳梗塞や心筋梗塞を引き起こします。
最も老化と関係するのは動脈硬化です。齢をとっても若く元気でいるために脂質異常症について少し考えてみましょう。
脂質異常症とは血液中の脂質のバランスが乱れた状態を指します。
主な指標はLDLコレステロール(LDL-C)、中性脂肪(トリグリセライド)、HDLコレステロール(HDL-C)の3つです。
■LDL-Cは主に肝臓で作ったコレステロールを全身の細胞へ届ける役割を担う粒子です。
■HDL-Cは血管壁に蓄積したコレステロールを回収して肝臓に戻す働きを持ちます。
■中性脂肪はエネルギーの源で脂肪に蓄積され必要に応じて分解されエネルギーになります。
もう一つの指標として「non-HDL-C」があります。
中性脂肪は前日の食事の影響を受けやすいですが 「non-HDL-C」と言う値は総コレステロールからHDL-C値を引いた数値で食事の影響を受けない脂質異常の指標です。
LDL-Cや中性脂肪が多い状態が続くと血管壁に脂質が沈着してプラーク(粥腫:ジュクシュ)ができます。これによって血管壁は厚く硬くなり血流が妨げられます。これが動脈硬化です。
⇒プラークが破裂すると血栓が生じて血管を塞ぎ、ある日突然に人生に大きな影響を与える脳梗塞・心筋梗塞を引き起こします。
脂質異常症の診断をされても今は元気です。
しかし、「複数の脂質の検査値が高く、血圧や血糖が高く内臓脂肪の蓄積を反映する腹囲が大きい人」はリスクが高いです。
ちなみにへそ周囲の腹囲で男性は85cm以上 女性は90cm以上がメタボです。
LDL-Cを低く抑えると動脈硬化のリスクを抑えられるます。
治療は食事療法・運動療法・薬剤療法があります。食事はバターなどの乳製品や肉の脂はLDL-Cを、甘いものやアルコールは中性脂肪を増やします。
運動も有効で週150分以上の中強度の有酸素運動を継続することで脂質異常症を改善させることが研究で示されています。短時間の運動の積み重ねの有効性も示されています。
薬剤療法として効果の高い薬があります。ポイントは薬を内服して正常値になったら薬を辞めてしまう人が多いことです。そのために食事療法や運動療法のみでは充分に下げられずに再び脂質異常症を指摘される方は大変に多いです。
元気で過ごす未来のために、健診などで脂質異常を指摘された方は、今から気長に一生涯注意し治療していきましょう。頑張りましょう。

